エアロエースは、三菱ふそうトラック・バスが製造している大型観光バスのシリーズ名である。
スーパーハイデッカーのエアロクィーン(Aero Queen)とハイデッカーのエアロエース(Aero Bus)と二階建てのエアロキング(Aero King)がある。
なお本項では、エアロエース以前の三菱ふそうの大型観光バス・MS系の略歴及びその前身である三菱大型観光バスシリーズ(エアロクィーンなど)についても記述する。
MAR820
1962年登場。MR/MAR系などに搭載される直列6気筒の6DB1(8,550cc)とモジュラー設計のV型8気筒エンジン・8DB1(11,400cc)を搭載し、高速観光バス向けに発売された。
B805/806、B905/906/907
1967年、高速輸送時代の到来に合わせて新たに開発したショートストロークの90゜V型ディーゼルDC系エンジンと共に、MR/MARの観光用とMAR820の後継車として発売されたのが新系列のB8/B9シリーズ。V型8気筒8DC2エンジン(265PS)・11.2m尺のB905N型1型式のみでスタートし、後年12m車(型式末尾記号がS)や8DC20エンジン(230PS)搭載車(B806系)、8DC4エンジン(300PS)搭載車(B907系)、12DC20エンジン(350PS)を搭載した国鉄向けの専用モデル(国鉄専用型式)(B906R型)などが追加されて一大ファミリーを形成した。
B800シリーズには、V型6気筒エンジンを搭載した観光モデルや路線モデル(B800/805系)も存在した。路線モデルについてはエアロスターの項目を参照されたい。
なおB8、B9系でも標準の観光ボディのほかに、路線バス用のボディ(G4型)を架装したモデルも阪急バスなどで見られた。
三菱自動車工業(三菱自工、名古屋・大江工場)製の新設計のボディ(B35型)は次に記すMS512/513系から採用されるが、両備バスはこれに先駆けてB905に新設計の標準ボディを架装した。
[編集] MS512/513系
1976年、前述のB806系とB900シリーズを統合する(ただしB8・B9系は翌年まで併売)形で発売。エンジンはいずれも直噴式の8DC4(265PS)をB806系に代わるMS512系に、8DC8(305PS)をB900シリーズを受け継ぐMS513系にそれぞれ搭載。ボディはK11型を継承。
1977年には、MS513N型/513R型に三菱自工純正のB35型ボディを架装したフルデッカー・パノラマデッカーなどの高床モデルが追加され、上級仕様として人気を博した。
この系統でも、阪急バスにはMS512Mをベースに後乗り・前降りの路線用ボディ(呉羽自工製73MC型)を架装した車両が存在していた(六甲・有馬地区で運用され、晩年は某電機メーカーの従業員輸送用として使われた)。
K-MS613/615系
MS512/513系の54年排出ガス規制対応モデルで、1980年に登場した。MS613系のエンジンは旧MS512系と同じ8DC8型であるが、排ガス・騒音対策から定格回転数が引き下げられ、最高出力も275PSとなった。また、MS615系には8DC9型エンジン(310PS)が搭載された。
フルデッカー仕様も引き続き生産されたが、溶接組み立て・リベットレス構造のボディを架装した「フルデッカII」モデル(改造型式扱い)が主力となっていった。後に呉羽自工から登場する「サンシャインデッカー」モデルは、このフルデッカIIのデザインを発展させたものといわれる。
初代エアロバスは1979(昭和54)年、当時の三菱自工・名古屋自動車製作所で開発・設計が始められ、1982年11月15日に発売された。
車体はイタリアのデザイナー、アルド・セッサーノが基本デザインを手がけ、モノコックボディとスケルトンボディの長所を組み合わせた独自の工法“スーパー・コンプ・ストラクチャー”によって組み立てられたもので、その秀逸なスタイリングが全国のバス事業者に注目された。
国産観光バス初の前輪独立懸架採用、8DC9型(320PS)高出力エンジンの搭載など性能面での評価も高く、スーパーハイデッカーのスーパーエアロ、新呉羽自動車工業(以下、新呉羽)製ボディ(新呉羽製も三菱純正のボディとされる)を架装したスーパーハイデッカーのエアロクィーンK、3軸スーパーハイデッカーのエアロクィーンW、2階建のエアロキングなどの派生モデルも含め、6年間でおよそ7,000台という、大型バスとしては驚異的な売り上げを記録した。また、新呉羽製ボディのハイデッカー車も存在し、こちらはサンシャインデッカと呼ばれる。ただし、運転席まわりの機器類(インパネ、ハンドル、シフトレバー)は、先代のMS6系のものを踏襲していた。
1984年に昭和60年騒音規制への適合を中心としたマイナーチェンジが行われ、運転席まわりの機器類が、同年にデビューしたエアロスター(初代:MP2/6系)と同等のものに変更された。
1988年に再度マイナーチェンジが行われ、8DC11型(355PS)エンジンが追加された。スーパーエアロに代わってフロント部分を変更し、エアロクィーンMとなった。そしてハイデッカー車にもエアロクィーンMと同じフロント部分を持つものが登場し、こちらはエアロバス・ハイデッカM(通称:エアロバス・クィーンバージョン、エアロバスQver、エアロバスQV)と呼ばれる。
エアロクィーンMは大型ヘッドライトの周囲に施された特徴的な処理から「パンダエアロ」の異名をとった。エアロクィーンMは当時のバブル景気による高級観光バス需要の高まりや、相次ぐ長距離高速バス路線の開設などを追い風に、大ヒットモデルとなった。また、このマイナーチェンジでは室内の内装が茶色系から灰色系へと変更されると共に、フロントバンパーの形状も一部変更された。
また、従来型のエアロバスにエアロクィーンW、新呉羽製ボディのエアロクィーンK、エアロキングも引き続き小変更を行いラインナップされている。新呉羽製ボディのハイデッカー車も1988年にボディを全面的に変更し、エアロバスKとなったが、中型車エアロミディと共通のイメージを持つスタイルが好まれなかったのか、特定の事業者に偏る傾向があり、あまり普及しなかった。更に翌1989年には低運転台スーパーハイデッカーのエアロクィーンMVも追加されている。
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