「窃盗」とは国語辞典などにおいては「密かに盗む」という意味であるという説明がなされるのは通常である。しかし、そうすると公然と盗む場合(例えばひったくり)は含まれないことになる。このことから中国では別の罪が設けられていたが、日本では伝統的にひったくり等も窃盗に含められている。「窃」には「ひそかに」だけでなく「ぬすむ」という意味もあるとして説明するものもある。明治時代に立法された現行刑法においては、条文において「窃取」という文言が用いられており、これは他人が占有する財物を占有者の意思に反し自己又は第三者の占有に移転させる行為をいうものと解されている。したがって占有移転行為が他人に気付かれることなく行われる必要ではなく、公然と行われてもよい。ただし、「ひったくり」は暴行の程度によっては窃盗ではなく強盗となる。
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窃盗罪の保護法益に財物に対する占有が含まれることにほぼ争いはない。一方、本権(所有権などの占有権原)が保護法益かどうかについては肯定する学説(本権説)もあるが、否定する学説(占有説)が多数説であり、判例も占有説とされる。
刑法242条が「自己の財物であっても、他人が占有」する場合には窃盗罪の客体となる、と規定していることは占有説の根拠として挙げられる(占有説からは同条は確認規定と考えられる)。