数ヶ月から数年に渡って研究対象となる社会に滞在し、その集団の構成員の一員として生活する参与観察は、《実地調査》の1手法である。フィールドワークには、観察、参与観察、面接《インタビュー》、心理テストなどの手法がある。
フィールドワークにおいてどんな調査結果が得られるかについて、調査する者の価値観、調査対象を好きか嫌いか、調査者と調査対象の間に生まれた関係(ラポール、rapport)、などが関係するところが、文化人類学が持つ課題である。日本に於いて、複数の地をフィールドワークすることが学問的に好ましいが、多くの人類学者は大学院生時に行ったフィールドワークの対象社会を生涯にわたって研究することが多く、それは社会的な制約(大学の講義等)により複数の社会を対象とすることが困難であるからであることが言える。
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さらに1970年代頃から、調査される側の迷惑、調査する側の倫理、が課題として取り上げられている。ベトナム戦争時にはCIAからの資金で盛んに文化人類学者がベトナムの地で活動したことが有名であり、多分に研究成果が戦争利用された。アメリカ人類学会には倫理委員会 が設けられ、1975年に綱領「職業的責任の原理」が、1984年に「倫理コード」が作成された。日本では1988年の第25回日本民族学会研究大会にてシンポジウム「民族学と少数民族-調査する側と調査される側」が催され、これをきっかけに研究倫理委員会が設置された。
文化人類学者による研究成果は、経済活動や戦争に十分利用できてしまう価値を持ち、研究の種類によっては調査される側に相当のダメージが及ぶことがある。